2009年10月31日

先日見た映画(27)

カチンコ 渋谷ヒューマントラストシネマ 文化村通り (元シネ・アミューズ EAST/WEST)が10/31閉館となりました。
渋谷にあるミニシアター系の映画館の中でも、よく足を運んだ映画館で、思い出もたくさん残っている映画館だったので、残念です…。
…が、これも世の中の流れなのでしょう…。「今までありがとう。」とだけ言いたいと思います。


さて、今回取り上げる映画は、ボクの好きな東野圭吾原作の映画化で、『さまよう刃』です。

最近、東野圭吾原作の映画が立て続けに製作されていますが、イマイチパッとしないのが多いので、前評判も含めて不安が多かったのですが、果たして?

吉と出るか? 凶と出るか?

詳しくは、↓コチラで↓

ネタバレありかもなので注意!zoo

この原作は、だいぶ前に読んだので正直 内容をあまり覚えていないんですが、この映画を見終わった際 感じた感想は、「原作こんなんだったっけ?」って印象です…。

ストーリーは、ざっくり言うと、唯一の家族である一人娘を殺された父親が犯人の少年たちへの復讐(ふくしゅう)を図り、一転 被害者から加害者=容疑者となり、逃げる少年を追うこの父親と、さらにそれを追う刑事との心の葛藤と司法制度のあり方に疑問を投げかける映画です。


はっきり言えることは、だいぶキャラクター設定をいじっていて、それが全部裏目に出ているなぁ…ってことです。

少なくとも主人公であるこの父親が電気機器にうといという設定と、彼を泊めるペンションの家族が現実と乖離している点、追う刑事がいちいち自分の警察官としての行動に疑問を抱く点で、ストーリーの流れが停滞したり、ちぐはぐしたりしている気がします。

特に刑事役(竹之内 豊)が、今や容疑者となった殺された娘の父親(寺尾 聰)に同情するシーンが何度もあるんですが、そこで警察官が情に流されて追跡を怠っていていいものなのか? もとい、それ以前に「いち警察官が罪の重い軽いを判断していては、裁判制度自体をゆがめかねないのでは?」という気がするんですが・・・。

くしくも、今年は裁判員制度元年ということで、裁判制度のあり方自体にも新たな試みがされている中で、この映画を作った製作者の意図である「現行の少年法のあり方に疑問を投げかける」というテーマはある意味タイムリーなのかなとも思いますけど…。

ただ、加害者側が鬼畜のような人間で、被害者家族であるこの父親が被害者側から加害者側へと転身した後も、ひたすら行動を美化して描く点には、製作者の疑問を投げかける以上の何か押し付け見たいなものを感じざるを得ない気がするんですが・・・。
(とくに加害者側の意図がなくて、この少年たちが少年法をかさに好き勝手やっているという描写も特になかったと思うので、少年法への問題定義という点でも弱いように思います・・・。)

原作をよくは覚えていないのですが、もしかしたら原作もそうだったかも知れません…。・・・が東野圭吾原作の他の小説も読んでいると、そこに込められた意図は、それだけじゃないような気がします…。

確かに、この映画は復讐劇であることは間違いありませんが、決して単に“死には死を持って償う”とか“目には目を”的なものではなく、もっと先の少年の更正への道しるべというか、復讐のある意味で空しさというような面を含めて描かれているんじゃないかと思います。

【注意】ラストばれするので、お気をつけ下さい!

それが、映画でいうと最後の部分、「死ぬほどの恐怖を味合わせてやりたかった・・・」という父親のセリフに含みを持たしている部分だと思うのですが、それまでの流れの中で、果たしてどこまでそれが伝わるのだろうか?という疑問があります。

(これを言ったら、反発が強いかもしれませんが…)現在の裁判制度の中で、罪を犯したら償うというのはごく当然のことだと思いますが、犯した罪を自らの命で償うということに関しては、それが本当の償いなのかということについて、ボクにはよく分かりません…。
※世間一般の考え方とかけ離れていると言われれば、そうなるんでしょうが・・・。

ボクは、是枝裕和監督の映画『歩いても 歩いても』を見た際に、そのひとつの答えみたいなものを見た気がしたのですが、正直 未だに自分に問い続けている疑問のひとつです・・・。

いつになく重くなってしまって、スイマセンたらーっ(汗) zoo
posted by チチブドウ at 23:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 趣味
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/33667095

この記事へのトラックバック